GANCHA RIDERS PROJECT 仮面ライダータロット

注意:かなり長いです。時間がある時に読破するか、暇つぶしに分けて読むことを推奨します。


プロローグ

「お前……準備はいいか……」
「はい……」
「よし……送るぞ……!」
「……博士!」

前編「異世界からの来訪者」

「順! 順! ……順ッ!!」
「うわっ! 痛えなあばあちゃん!」
「痛えなあじゃあないわよ! 店番してるときに居眠りするバカがいるか!」
 俺はばあちゃんに叩き起こされた。ばあちゃんは店の事には厳しい。
「ほらほら! 十一番のテーブルのところにきつねとつきみ、五番のテーブルにさぬきを持っていき!」
「分かったよ!」
 ばあちゃんは店のこととなると人の扱いが悪くなる。いつもは優しいばあちゃんが店だと厳しくなるのはそれだけ真面目なんだろう。俺はいつもばあちゃんと暮らしてるからなんとなくわかる。

 俺は川東順。高校三年生。一ヶ月前十八歳になったばかりで、あと二週間ぐらいで卒業を控えている。特技と言えるものはないけど、うどんの茹で具合と正義感には自信がある。
 俺はばあちゃんの家に住んで、ばあちゃんのうどん屋「華東」の手伝いをしてる。大学は行かないつもりで、いつかばあちゃんが倒れた時はこのうどん屋を継ぐつもりだ。
 前までは人足があまりなかったが、少し前にネットで少し宣伝したら客が前より増えてきて、今では口コミで広がってるらしい。休みの今日は朝から晩まで働かされていて、客がたくさん来てるので少し嬉しいがやっぱり大変だ。
「はい次! カウンター六番にざるうどん! つゆと薬味のセットも忘れずにね!」
「はいはい!」
 一時になったら昼飯だから、そのとき俺もざるうどん食おう。
「……」
 さっきから厨房をチラチラ見ながらうどんを食ってるやつがいる。よくこんな客が来るがだいたいは食い逃げだ。こいつも食い逃げならとっ捕まえてやろう。
 と思ってたらその客はやはり食い逃げだった。俺がざるうどんをテーブルに置いた隙にダッシュで逃げていったのだ。
「順!」
「言われなくても!」
俺はばあちゃんに頷くとすぐに食い逃げを追いかけていった。

 この食い逃げ犯は足が早い。今まではマヌケな走りのやつが多かったが、この食い逃げは今まで出た食い逃げの中では一番だ。
「待て! 食い逃げー!」
 捕まえる自信はある。俺は近所だと食い逃げハンターの順で評判だ。そうばあちゃんが言ってた。今日も食い逃げ犯をとっちめてやる。
 そう気合を入れたが途中で食い逃げ犯を見失ってしまった。食い逃げ犯が逃げた道は直角になった道だ。その道は瓦礫が落ちてい通りにくい。食い逃げ犯はそこを器用に通っていったのだろう。
 食い逃げハンターの異名にかけて俺は瓦礫の道を進んでいった。途中で木も生い茂ってきたが掻き分けて行った。やっと道が開けてどこかに出た。
「マジかよ……」
 そこは気味が悪いと近所でもっぱらの廃墟だった。
 食い逃げの姿は見当たらないが、さっきの瓦礫の道でついた泥の足跡はあった。それは廃墟に延びている。
 俺は廃墟の中に入ってみた。骨組みは倒れ、窓や壁は空いていたりして、正に廃墟という感じだ。
「おーい! 食い逃げ野郎ー! 出てこーい!」
 俺は廃墟を歩きながら言った。確かに足跡はこの廃墟に延びていた。
 廃墟の中はボロボロになっていて、壊れたイスや机も転がっている。階段も壊れていたが、なんとか上れそうだ。
「おーい! 食い逃げー! いるんならでてこーい!」
 二階を見ても人の気配はない。さらに上も見たがやはり気配はない。あるのはめちゃくちゃになった内部だけだ。物をどかしても食い逃げはいなかった。
 仕方なく一階に戻って、店に帰ることにした。

 その時、入り口手前で地面に穴がある事に気付いたが、もう遅かった。俺は穴に落ちた。

「……んあ」
 遺跡で俺は目覚めた。周りが壁で囲まれていて、出口はない。
 壁にはベルトのような物や謎の仮面やスーツのような物の絵が彫られている。何と無くだけど、どこか卵の意匠がある気がする。
「ああーッ! ここどこだよ! 早く帰んなきゃばあちゃんに怒られるじゃねーかよ!」
 イライラして俺は叫んだ。帰りが遅かったら「どこほっつき歩いてたんだよ」と大目玉を食らだろう。十八歳になってみっともないけど正直言って怖い。
「……どうすんだよ……」
 落ち着いていられず遺跡をぐるぐる歩きながら呟いた。遅くなって昼飯無しなんて最悪だ!

 カチッ。
 と足元から音が鳴った。何事だと見てみると片方の足元の床が凹んでいる。まるでスイッチみたいだ。
 すると遺跡の真ん中の床が開き、穴からから棺みたいな物が出てきた。長方形の形で、壁と同じように壁画のような物が彫られている。
「なんだ……?」
 まるでメルヘンやファンタジーの類だ。何がどうなってるのか分からない。教えてくれよ誰か!
 そう思った時、棺が光出した。
 瞬く間に棺は崩れ、中から光る何かが出てきた。人型の姿をしているが、光っててどんな見た目かは分からない。足元には壁画に描かれていたベルトに似たような物も落ちている。
 光る物は身体をほぐすような動きをして、こっちを見た。そして一瞬、光が収まった。
 その姿は、地球で見たことのない怪人だった。

 気付いたら俺は廃墟に戻っていた。時間はまだ昼間のようで、穴はなくなっていた。
 立ち上がって、食い逃げは諦めてもう店に帰ろうとしたら、足元にさっきのベルトが落ちていた。相変わらずどこか卵の意匠がある気がする。
「……いいんかねぇ」
 そう思ってベルトは持って帰る事にした。使い方は分からないけど、インテリアぐらいにはなるはずだ。

「順! どこ行ってきてたの!」
 帰ってきたらばあちゃんに説教を食らった。
「どこって食い逃げを追いかけに…」
「食い逃げならすぐ自首してきたよ! ほら、お昼食べちゃいなさい!」
俺はばあちゃんから出されたぶっかけうどんを食べ始めた。内心ざるうどんがよかった。うどんにケチつけると今以上にキレるので口には出さない。
 ばあちゃんは今は亡きじいちゃんとうどん屋を経営していた。俺も子供の頃からうどん屋の手伝いをしてた。だがじいちゃんは去年病気で倒れ、俺もばあちゃんもとても悲しかった。
 親父とお袋は医者をやってるが、俺はうどん屋を継ぐことにしている。このうどんを廃らせるなんて真っ平御免だ。
 俺はうどんを汁まで飲み干すと、早速ばあちゃんに麺十玉作ってくれと頼まれた。

『勇博士の次の研究に期待ですね。次のニュースです。昨夜未明、熊本の遺跡が崩壊するという事件が起こりました』
 茹でているとニュースが聞こえてきた。それによると熊本にあった小さい遺跡が崩れたらしい。そこの中は解明されてないところが多く、調べるには相当の時間が必要らしい。
「えらく物騒だねえ」
 店で働いている本間さんが言った。
「なんか土砂崩れでもあったのかねえ」
「まさか爆弾とか?」
 厨房で働く人達が次々と言う。
 この時間になるとなだれ込むように工場の人が来る。茹でろと言われたのもその準備みたいなもんだ。ニュースは別に店の売り上げに関係ないことだから気にしないことにした。
 明日は高校だ。昼飯ピークが来たら荷物の準備をしておこう。

「んああ!」
 夜の裏路地で男は叫んでいた。
「なんだよ! 出版社は本で売り出してもいいですねって言ったのに直前になってボツなんて言いやがって!」
 男は愚痴を叫ぶ。それほどの怒りが男の中には溜まっていた。
「ぶっ壊してえか?」
 男の頭に声が響いた。だが近くには男以外に人はいない。
「な、何だよお前!?」
「俺はお前の味方だ。ムシャクシャするんだろう? 力を貸すぜ」
 男の疑問に答えずに声は言う。
「力って言ってもどんな力なんだよ!」
 すると男の目の前に卵のような物が現れた。
「これが俺だ。だがこの卵は力を最低限に抑えるもの。お前が俺を額にコツンと付ければ、俺の体と力を使える。やってみるか?」
「……」
 男は黙り込む。そして
「……ああ、やってやる。その力と体はそん時はおれが操れるんだろ?」
「ああ。お前は俺を操れる」
「なら決まりだ!」
 そう言って男はその卵を額に当て、異形の怪物へ変身した。
「操れるのは、最初の何回かだがな」
 声はそう呟いた。

「おい順!」
 休み時間、修が駆け寄ってきた。
 修とは高校からの親友で、好みについても馬が合う。
「ん? なんだよ修」
「聞いたか? 『アベンジャーズ2』にクイックシルバーとスカーレットウィッチが出るってよ!」
「おう、知ってる。ていうかお前そろそろ面接だろ? 大丈夫か?」
 修は陸上選手志望で、高校卒業後はマーベラスなんとかに入社してスポーツチームに所属するという。
「大丈夫大丈夫、イメージトレーニングもバッチリだし」
 語ってくる修からは余裕が絶えず伝わってくる。
「でもスーツ持ってないじゃん」
 啓示の傍らから由依が出てきた。由依も高校からの親友だ。
「ああそっか、お前もうスーツなくして持ってないんだったな」
 修は入学式か何かでスーツをなくし、両親もスーツを着るような仕事じゃないらしいのでおさがりもない、兄弟もいないから新しく買うしかないらしい。
「大丈夫、新しいの買えばいいよ!」
「誰が金出すの?」
「俺」
「貯金は」
「二五◯◯円」
「うわ……」
「えっ……」
 修がさっきとは違い絶望的な雰囲気を漂わせて座り込んだ。

 何やら遺跡のような場所に、怪人たちは集まっていた。周りには見たことのない機材や、卵状の物が入っており、人が一人入れそうな穴の空いた機械があった。
「やあ、地球停留エッグ部門」
 モニターに一体の怪物が写し出された。
「ディノガイア帝!」
 遺跡にいる怪人たちは一同にモニターに向かい一礼をした。
「調子はどうだ、ヘリコプリオン?」
「地球初陣としてスパイダーが向かっております」
 先頭に立っている怪人がモニターの怪人に対し、言った。
 モニターの怪人はほう、と言い、
「あいつは人間に寄生する方を好む奴だからなあ、初陣に期待しているぞ」
 と言った。

「じゃあなー!」
「また明日ー」
「おーう」
 帰る方向が三人とも違うので、俺らは学校で別れた。帰るとばあちゃんのうどん屋の手伝いが待ってるけど、ばあちゃんが用事で店が二日休みだ。今日は手伝いがない。
 と思っていたら、一人の男が歩いてきた。
「……今日はここにするか……」
 男が独り言のように言うと、懐から卵を取り出し、コツンと額に当てた。
 すると男は怪物へと変身した。
 変な遺跡で怪物を見たり男が怪物になったり、ますますメルヘンやファンタジーの世界になっていくじゃないか!
 怪物は手から糸を出し、近くの電灯を倒し始めた。電線はブチブチ切れて、火花まで飛び散っている。
「フフフフフェッヘッヘ」
 どっか外れたような笑い声で怪物は近寄ってきた。
「おいお前……中々いい肉人形じゃあないか……」
「うげっ!?」
 怪物は俺の腹目掛け殴り俺はその場で抱え込んだ。
「ウウッ……ッ……」
 その殴りから吐き出しそうになったが、なんとかこらえた。口の中が苦い。
「アギヒヒヒヒッ!」
 笑い方からして狂っているこの怪人はさらに蹴りを入れてきた。
「ウアッ!」
 俺が痛みで叫んでい御構い無しに殴り、蹴り、足で押さえつける。
「ウーン? サンドバックにしてはうるさいんじゃないのか、ええ!?」
 怪人は言うと足でグリグリと痛めつける。
「ああッ!」
「アヒヒヒヒ……グッ!?」
 怪人がさらに痛めつけようとした時、どこからか細長く尖ったレイピアのようなものが飛んできて、怪人の足に突き刺さった。怪人は痛みから俺を押さえつけるのをやめた。
「…ん!?」
 レイピアが飛んできた方向を見るとそこにはもう一体怪人がいた。
 その怪人は前の遺跡の怪人だった!

 遺跡の怪人は俺に向かって走ってきた。
「……我々に刃向かった奴の生き残りか!?」
 怪人はさっきとは違う声で驚いたように言うと、
「……一旦引くぞ」
 と言い、どこかへ去っていった。
 殴られた時や足で押さえつけられた時で痣や傷ができていた。服もボロボロになっている。
「大丈夫かあんた?」
 いつの間にか隣に遺跡の怪人が寄ってきて俺に言った。
「ヒッ!」
 俺は驚いて叫んでしまった。
「大丈夫だ、今治療してやる」
 怪人はそう言うと俺に手をかざし、何やら手に力を入れていた。すると痣や傷がみるみる治っていった。
「お前、俺を助けるのか?」
 俺が聞くと、怪人は頷いた。そして全部回復したところで怪人は倒れてしまった。
「……連れてこう」
 俺は怪人を肩に担ぎ、家に向かった。

 家に着くとまずソファー席になっている所に怪人を寝かせておき、起きた時のためにうどんを作った。恩返しのつもりだ。
 遺跡の怪人は攻撃してあの怪人を追い払っただけでなく、何をしてそうなるのかは分からないが俺を治療してくれた。大丈夫か、と気にかけたところもあったので多分コイツは敵じゃない。根拠は無いけど。
 うどんを作り終わり、怪人のいる方へうどんを持っていくと怪人は起き上がった。
「……」
「どうした?」
「いいのか? あんたは怪人に襲われてただろ? 怪人なんて助けて」
「あんたはあの怪人から俺を助けてくれたろ。それに大丈夫かと気にかけて俺の怪我を治してくれた。それもぶっ倒れるぐらいに」
「……」
「お礼にしては難だけど、俺が出せるぐらいの恩返しはうどんだ。体力なさそうだし、遠慮せず食べな」
「いただきます」
 何故か日本のマナーをわきまえている怪人は人間になり、食べ始めた。
「えっ、お前も人間になれるの?」
「こっちの方が落ち着くし、食べやすいしね。あいつらはただ人に寄生してるだけだ」
「寄生?」
 ズルズル音を立て、人間になった怪人はうどんを食べていく。そして食べ終わった。
「ご馳走様」
「あいよ」
 綺麗に食べ終わったうどんの入っていたお椀を一旦厨房に持って行き、俺は怪人にこれまでの事を聞いた。
「あんた、寄生してるだとかあいつ『ら』とか、あいつの事とか知ってるのか?」
「知りたいのか?」
「ああ。なんで遺跡みたいなところにお前がいたかとか、あの怪人が何なのか、あんだけ関わってりゃ知りたいさ」
 怪人は少し間を置き、
「長い話になるけど」
 と言い、話し始めた。
「あいつらの名前はギャノベイダー。まあ俺もだが。あいつらはフュージョンという世界からやってきて、次々と世界を滅亡させようとしている」
「ん、待て、お前もギャノベイダーなら、お前もこの世界を滅亡させに来たのか?」
「いや、俺はレグルスのギャノベイダーだ。分類は同じでもできることが少し違う」
「レグルス?」
「まずは平行世界の話からのほうがいいかな」
 怪人は話を続ける。
「この地球、平行世界としての名前ならジオは、平行世界の中心になっているんだ。その分岐点のつが俺の住んでた世界のレグルス。人間とギャノベイダーが共存してる世界だった。だが例外にフュージョンがあった。フュージョンはレグルスから分岐してて、レグルスにしか行けなく、直接地球に行くには遠く、エネルギーを使ったという」
 怪人はさらに話を続ける。
フュージョンは人間じゃなくてギャノベイダーが栄えていて、ディノガイアとかいう帝国がほとんどのギャノベイダーを洗脳していた。ディノガイアのために命を差し出せ、ぐらいにな。そのディノガイア帝国が平行世界の征服に乗り出したんだ」
「それの最初がレグルスと?」
「そうだ」
 怪人が続けた。
「俺はレグルス出身のギャノベイダーだからあいつらとは違って何かの生物のような技を持ってない。あるのは体力か寿命を削って治療をするか攻撃をするのと、人間体があるだけだ」
 あの攻撃や俺を治療したのはそれだったのか。
「俺は身勝手な征服をするディノガイアを許さなかった。そんな時にある科学者に拾われた。その科学者……博士はエッグという技術を開発していた。物体を凝縮して卵型の機械に詰め込むんだ。ディノガイアが乗り込んできた時、博士はエッグ技術を完成させ、それを戦いに使えるようにベルトを作った。名前はタロットドライバー。それの起動を俺に任せたんだ」
 怪人が続ける。
「エッグ技術を転用して、俺がタロットドライバーに潜り込まなきゃ起動しないよう設計された。そのベルトを使って博士は戦った。でも……」
 怪人は間を起き、
「負けてしまった」
 と言った。
「レグルス出身のギャノベイダーはほとんどディノガイアに洗脳されてディノガイアの一員となってしまった。博士は俺が他のギャノベイダーのようにディノガイアの一員にされないよう、そしてタロットまでもがディノガイアに渡らないように、俺を地球に封印した」
 人間になった怪人は、暗い顔をしている。
「だがディノガイアは自分達で独自のエッグを造っていた。自らをエッグに閉じ込め人間に寄生しやすいようにして。それでレグルスの人も犠牲になった。そして、滅ぼしたレグルスを通してジオへの侵略を開始した。これじゃあ俺の故郷がジオへの通り道だ」
「その地球への線路の出口って」
「9日ぐらい各地を飛びまわって調べた。熊本とかいう街の崩壊した遺跡だった。入れるのはディノガイアの一員だけで、そうじゃないとバリアで弾かれる」
 熊本。
 熊本の遺跡が崩れたと一週間前ぐらいのニュースでやってたが、まさか地球侵略のために道にしたとは。
「……俺が知ってることは全部話した。ところで、お前ベルト持ってないか?」
 俺はハッと思い出し、
「ちょっと待ってろ」
 と一回自分の部屋に引き返した。話に聞き入っていてベルトの話になっても思い出せてなかった。なぜあいつは俺がベルトを持ってた事を知ってたんだろうか。

 確かどっかにベルトがおいてあったはずだ。
「あった!」
 ベルトは本棚の空いていた場所に置いてあった。
 それを持ってまた一階へ戻る。
「おい、タロットドライバーってこれか?」
 俺は人間の怪人にベルトを見せた。
「……やっぱり」
「あんた、遺跡から出た時に猛スピードで出たんじゃないか?そして俺が持ってたとか」
 人間の怪人は首を横に降り、
「万が一俺がディノガイアに見つかった時にベルトまで持っていかれたら侵略が早まってしまうから、そこにいたあんたに預けるつもりで落とした。ディノガイアは俺がベルトを持ってると思ってるはずだからな」
 俺の予想は外れたが、それは関係ない。
 怪人の話を俺は信じる。襲ってきた怪人の言動などならコイツに敵意は無いと信じてる。
 俺は決意を込めて怪人に言った。
「俺が二代目タロットにになってやる!」
「え!?」
 怪人は驚いた。
「お前、なんで」
「お前を信じたからだ。嘘だとしたらあんなに長くは話さないだろうし、嘘を考えるところで時間を費やすだろう? ディノガイアの怪人もお前の存在に驚いてた。それはディノガイアにとってお前が敵って意味だろ? 俺らの世界もお前が住んでたレグルスみたいにされることを許すことは出来ないし、目的のために一つの世界を滅ぼした事も許せない。俺はディノガイアの侵略を止めたい。戦闘力にも一応自信はある」
 怪人は少し考えてから言った。
「分かった。俺もお前をサポートする」
「俺は川東順。お前は?」
「エイト」
「よし、エイト。よろしくな」
 俺は手を出した。
「こっちこそ」
 エイトも手を出し、お互い握手した。
「それで、次にディノガイアのギャノベイダーについて詳しく説明するが、いいか?」
「言いぜ」
 エイトはまた話を始めた。

「まだディノガイア帝に刃向かうギャノベイダーがいた?」
 崩壊した熊本の遺跡の奥に造られたディノガイア帝国の地球支部。ディノガイアのエッグ部門を従えるギャノベイダーであるヘリコプリオンは既に男に寄生したギャノベイダーであるスパイダーはエッグの中から地球支部へと通信、報告を行っていた。
「はい。姿からしてレグルスで我々に刃向かった者の一人、それもタロットの右腕と見られます」
「あいつはエイト、と言ったかな」
 スパイダーからの報告にヘリコプリオンは答える。
「お前が寄生した男の依存具合から見て、男の心も体も直に全てお前の者になるだろう」
「あと数回でそうなると思います」
「手に入れた男の体で何をしようと勝手だ。その時には援軍を送る。お前の幸運を祈るぞ」
「有り難いです」
 ヘリコプリオンからの通信はこれで切れた。
「フヒフフヒ、また行くぞ」
 ギャノベイダーの力に溺れ、前の姿を見る影も無い男は、スパイダーの凝縮されたエッグを手に取り、また出掛けて行った。

「……じゃあ、人がエッグでギャノベイダーの力を使いすぎると、その人の体と心は全部ギャノベイダーの物になってしまうのか?」
「そういう事。多分、前に順を襲ったギャノベイダー……スパイダーが寄生した男は力を使いすぎてるように見える。スパイダー自体の人格が体を動かしたところからもう危ない感じだ。あと数回ギャノベイダーの力を使えばその人の人格は消えて、スパイダーの人間体になってしまう」
「なんとかして救う方法は無いのか?」
「そうなってしまう前にギャノベイダーを倒して、人とギャノベイダーのリンクを切り離すしか無い。でもそうする前に人がギャノベイダーの力に溺れて乗っ取られる方が多い」
 暗い顔をしてエイトが言った。
「マジかよ……」
「それがディノガイアのやり方だ。非道徳的だろ? それを躊躇いなくやらせるためにディノガイアは洗脳してる」
「ところで」
「何?」
「どうしてそんなに日本語ペラペラなの?」
「レグルスでは共通語だったんだ」
 世界が違えば共通語ものなのか。
「話を戻そうか」
「大丈夫。次はタロットについての詳しい話……」
 エイトが何かを感じたようだ。
「あいつがまた出やがった!」
「行こう! タロットの説明は実践しながらでいい!」
「分かった」
 戦いながら教えてもらうことにして、俺はエイトと店を出た。

「フフファアアアッハハハハ! ヒェッフッフッフ!」
「かはッ……えぐッ……」
 スパイダーの力を使った男は、辺りを壊し、人をいたぶっていた。いたぶらてる人は俺がやられたように足で抑え付けていた。同じ戦法だけなのか?
「アアッハァー!」
 スパイダー男は人をいたぶる事に快感を覚えている。
「いくぞ、順!」
「どうすんだよ!?」
「まず腰にタロットドライバーのバックルを当てろ! そうすれば腰にベルトが巻かれる!」
「分かった!」
 エイトの指示通りにバックルを腰に当てる。するとちゃんとベルトが巻かれた。
「よし、次だ」
そう言うとエイトはベルトの中へ入っていった。入り込むのと同時にベルトに左右に二つずつエッグが装備された。
「よし、左側から二番目のエッグをドライバーにはめろ!」
 エイトはベルトから話しかけ、俺に指示を出した。
「分かった!」
 そう言ってベルトの左側から二番目にスパイダーに近づいていった。
「おい蜘蛛男! その人を離せ!」
 俺はスパイダーに向かって言った。スパイダーにいたぶられた人はかなり弱っている。
「あん? ……お前はさっきの奴……何しにきた?」
「お前を止めに来た! もうその力は手放せ!」
「嫌だね……ウッ!?」
 スパイダーは急に悶え始めた。足は人を離している。
「……潮時だ……」
「な……何を……」
「お前はもう用済みだ。さようなら、だな!」
「うう……あああああああああああああああ!」
 スパイダーの体から同時にスパイダーに溺れた男と本物のスパイダーが話し合い、男の方が悶え、叫んだ。そしてすぐに普通の体制に戻った。これは……完全にスパイダーが乗っ取ったと見ていい。
「お前! まさかあの男の体を」
「ああそうさ。……そのベルト!」
 スパイダーは俺が付けているタロットドライバーを見て驚いた。
「順! 変身だ!」
「分かった!」
 無意識の内にポーズを取り、俺は叫んだ。
「変身!!」

「エッグ! ピキッピキッピキッピキッパリパリカポンカポンカポォーン!!」
 エイトの声とは違う、ベルトから発せられた何かとノリの良いシャウトボイスを聞きながら、俺はタロットに変身した。右腕にはガントレットのような物が装備されている。
「やはり、お前がタロットか!」
 スパイダーは確信したように言う。
「行くぞ、順!」
「ああ!」
 俺はスパイダーに向かっていき、パンチを食らわせる。
「うっ!?」
 パンチはスパイダーの腹に見事に入り、少し後ずさった。
 今の内にいたぶられていた人に向かって言った。
「さあ! 早く逃げて!」
「……お前、順か?」
「? ……修!?」
 いたぶられた時は顔がよく見えなくて分からなかったが、いたぶられたのは修だった。
「説明は後だ! 今は逃げろ!」
「あ、ああ……」
「順! 右腕に付いてるそれ、ハッチングガントレットの二のボタンを押せ!」
「ああ!」
 言われた通りにそのボタンを押した。
「バァァァァァァァァァァァド!」
 ハッチングガントレットと言われたものから勢いのある声が出ると、背中からバサッと音がした。
「ハッチングガントレットはフォームに対応した技を発動出来る。これは鳥の翼を模したものだ。これで空を飛んでどっか安全な場所へ避難させてやれ!」
「分かった」
 背中に生えた翼で空を飛び、スパイダーのいた場所から離れた日陰になっている場所に修を寝かせた。
「待ってろよ。すぐ片付けるから」
「ああ……」
 修はそう返事をして、眠り始めた。サンドバックにされ相当疲れていたようだ。
「よし、戻るぞ」
「分かってる!」
 背中に生えている翼で俺は戻っていった。

 スパイダーは俺が逃げ出したと思って油断していた。
「あのタロットは逃げ出したか。腰抜けめ」
「逃げ出してなんかねえよ!」
 俺はスパイダーに叫ぶと飛んでた時の加速のままスパイダーに突っ込み、頭突きを食らわせた。
 俺が着地した時に、背中の翼は消えた。
「ぬうっ!?」
 スパイダーはふっ飛ばされ、木にぶつかり木ごと倒れた。
「く……貴様ッ!」
 スパイダーは立ち上がり、俺に向かって殴りかかってきた。
「受け止めろ!」
「お、おう!」
 スパイダーが出してきた右手を手で受け止め、さらに出してきた左手を足で受け止め、振り払い回し蹴りを食らわせた。
「うげッ!」
 クリーンヒットしたようで、スパイダーはうろたえた。
「中々やるじゃないか!」
「それほどでも」
 エイトは俺の戦いを褒めた。
「クッ、貴様……ハッ!」
 スパイダーは口から糸を吐き出してきた。俺に巻きつけると、口から糸を出すのをやめ、手に持つとスイングを始めた。
「うわああああああああ!」
「マズイ、身動きが取れない!」
「ハーハッ!」
 スパイダーは叫びながら周りの木に当たるようにスイングを繰り返し、地面にぶち当てるとさらに手からも糸を出し、蜘蛛の巣のような形で地面に貼り付けた。
「フゥーッ、復活したはいいが、その日が命日なんて悲しいなあ、タロット〜ッ」
「くっ……!」
 クソッ、もう終わりか。
「諦めるなよ! 死亡フラグを立てたらお終いだ!」
 エイトが叫んだ。するとベルトからあのレイピアが飛び出してきた。
「うわッ!?」
 レイピアはスパイダーの左肩を突き刺し、スパイダーはうろたえた。
「今のうちに!」
 ベルトからエイトの腕だけが出てきて、ハッチングガントレットの一と二のボタンを押して、またベルトの中に潜っていった。
「ダイノォォ! ゥァアアアアアアンドバァァァードッ!」
 ガントレットの声はさらにヒートアップして叫び、右腕には恐竜の頭部を模した武器、背中にはさっきの翼が生えた。翼が生えた勢いで縛り付けていた糸は千切れ、俺は自由の身になった。
「おお」
 俺は思わず声が出た。
「何やってんだ、行くぞ!」
「ああ!」
 エイトに言われ、俺は翼で飛びスパイダーに近づいていった。
「右手のダイノファングで殴りかかれ!」
「てりゃあああああああ!!」
 さっきと同じように翼で飛びながら加速し、右手に現れたエイトの言うダイノファングでスパイダーに殴りかかった。
「グオオオオオオ!」
 ダイノファングは殴りかかろうとすると口を開き、スパイダーに向かって伸ばすと腹を咥えて離さなかった。口の中は牙が生えているのでスパイダーは痛みで叫んだ。
「そのまま必殺技だ!」
「どうやるんだよ!」
ガントレットの先、今はダイノファングの手前側にあるエッグ型の大きめのボタンを押せ!」
「分かった!」
 言われたとおり、エッグ型のボタンを押した。
「ルァァストスパァァァァットッ! ブレイクボォォォォォォンッッ!!!」
 ガントレットは叫んだ。これまでよりもずっとハイテンションだ。
「まずダイノファングからスパイダーを上に投げてガントレットの上に浮かんでるシールドをそのスパイダーへ投げつけろ!」
 エイトに言われたように、ダイノファングからスパイダーを投げて離し、ガントレット上に現れた、シールド状の亀の甲羅に似たエネルギー体をスパイダーに投げつけた。すると宙にスパイダーが貼り付けられた。
「次に翼で空を飛んで加速する!」
 またさっきのように翼で空を飛んだ。
「加速がついたぞ!」
「そして貼り付けられたスパイダー目掛けてキックだ!」
 エイトの指示でキックを放つ。突き出している足にダイノファングがパワーアップしたような恐竜の頭部が現れ、獲物を捕らえるように口を開けた。
「デリャァァァァァァァァァァァァァア!!」
「グ……アアアアアアアアアア!!」
 キックは命中し、スパイダーは断末魔を上げて爆発した。
 俺は着地して、変身を解いた。
 変身が解けたことで、ドライバーからエイトが出てきた。
「…………」
「ギャノベイダーの呪縛から解けなかったな……」
「……ああ……」
 スパイダーを宙に上げていた地点にも、その下の地面にも何もない。あの男はもうスパイダーの体に取り込まれてしまっていた。
「……くよくよしてても仕方ねえ。修の治療に行こう」
「ああ」
 エイトはまた暗い顔をしていた。こうしてレグルスでもたくさんの人間が犠牲になったのだと思うと、また助けられなかったと思ってるのかもしれない。
 そんなエイトを連れて、修を寝かせていた場所へ向かった。

 修はまだ寝ていた。寝息もたてているので生きている。
「おい、修? 大丈夫か?」
「……あ……ああ……」
 起きたはいいが、かなり弱っている。
「助けてやってくれよ、エイト」
「結構疲れるんだよなこれ」
 エイトはそういいながらも俺にやったように手をかざし、傷を治して、修の体や服は元通りに治った。
「……ん……!? どうなってんだ順!?」
「焦るなよ、順を追って説明するから」
「順だけにか」
「ブフ……あが……」
 エイトは体力が尽きてぶっ倒れた。
「!? おいあんた、大丈夫か!?」
「大丈夫、少し寝れば回復する」
「どこへ連れてく?」
「とりあえず俺ん家のソファー席に寝かせよう」
「分かった、俺も行く」
 俺は修と共に、エイトを家へ連れていった。これで二回目、火曜日の午後だった。

「タロットのパワー反応あり!」
「スパイダー様の生体反応、遮断されました!」
「スパイダー様の死亡確認、人間は取り込み済みです!」
 二代目タロット、順によってスパイダーが倒された頃、熊本の遺跡の奥にあるディノガイア帝国地球支部エッグ部門では、スパイダーが倒されたことやタロットが現れた事に驚きの声が上がっていた。
「我々に刃向かう物が逃げ出していたとは聞いたが、よりによってタロットとは……」
「ですがヘリコプリオン様、ベルトを起動する愚かなギャノベイダーは同じでも、タロットのスーツを装着者する人間は違う者の様です」
「ほう……」
 エッグ部門のリーダーであるヘリコプリオンは頭を悩ませる。
「ヘリコプリオン様。ここは私が」
 一体のギャノベイダーが名乗り出た。
「ん。お前は……」
カプリコーンでございます」
 名乗り出たギャノベイダー、カプリコーンは威勢よく答えた。
「ほう、突進に角での攻撃か……」
 ヘリコプリオンは少し考え、
「よし、エッグ凝縮装置の準備をしろ。カプリコーンをエッグにする」
 ヘリコプリオンはそう言うと、もう一言言った。
「それと、今回は私も出陣する」

後編「引きこもりと強い絆」

 俺の家へ連れて帰って少しすると、エイトは目覚めた。そして、いろいろ知りたがっていた修に俺に話したようにパラレルワールドやギャノベイダー、ディノガイア帝国の事などを話した。
「にわかには信じられないけど、あんな怪人を見たり順がそのタロットに変身したりした所とかも実際に見たし、信じるしかないか」
 と修も俺と同じような事を言って納得した。
「ところで、俺思うんだけどさ……」
「何?」
「あんまり正体は晒さない方がいいんじゃないか? 俺みたいにディノガイアとかいうのに襲われたり関わったのはいいとして、無闇に人前で変身すると大勢の人を巻き込むだろ?」
「確かに」
「それにディノガイアにバレたらすぐ攻撃されるだろ? それだとマズイんじゃないか?」
「俺はバレてるけど拠点は大丈夫だし、それでいこう」
 俺もエイトもそのやり方で行くことにした。
「ところでさ」
 修はまた質問してきた。
「何だよまた」
「エイトってどこに住むん?」
「腰に付けなければドライバーの中はいい感じの居住スペースになるからそこに住むよ。結構快適だぜ? エアコン完備に冷蔵庫、風呂場、テーブル、あとその世界にテレビがあればその世界の番組だって見れる」
 なんて便利なベルトなんだ。
「俺そんな機能聞いてないぞ!」
「俺だけ入れるんだし別に教えなくても大丈夫かと思ったから」
「なんだ、お前だけしか入れないのかよ」
 口論が始まった中、修は残念そうに言った。

「…………」
 外は昼間。住宅街の中にある家の一室に、彼は引きこもっていた。
 カーテンを閉めて一切の光を入れず、扉は鍵を掛けたまま、自分宛の荷物と食事が置かれた時にしか開けない。
 少年はただ淡々とパソコンに向かう。
「……チッ」
 舌打ちをすると、パソコンで別の窓を開き、F5キーを押した。
「引きこもって何が楽しいのです?」
「……ッ!?」
 部屋に突然声がした。部屋には少年しかいない。
「驚かなくて結構。私は貴方に力を授けに来たのです。棚に飾ってる、あのヒーロー達のような」
 少年は声のする向きを見た。すると卵型の何かが浮かんでいた。
「どうでしょう? 引きこもって一日中パソコンとにらめっこなんて、つまらないですよ?」
「…………うるさい」
 少年はボソリと言う。
「……復讐したいんでしょう?」
 卵がそう言うと、少年はビクッとした。
 少年は何も言わずに頷く。
「その願望に見合った力ですよ? さあ、使いますか?使いませんか?」
「…………」
 少年は何も言わず、卵に手を伸ばした。

「順! ちゃんと風呂に入って、早く寝て、学校に行ってたでしょうね!」
「してたよ! 俺だってもう子供じゃねえんだから!」
 昨日の夜にばあちゃんは帰ってきていたようだ。その時には寝てたから気づかなかった。
「ホラ、うどん食べて、さっさと学校行ってきなさい! 遅れても知らんよ!」
 そう言って今日はたぬきを出してきた。
「いただきます!」
 俺はたぬきをズルズル食べておわんを空にして、歯を磨き顔を洗って制服を着た後に鞄を持って扉を開けた。
「行ってきます!」
「いってらっしゃい!」
 俺は学校へと向かっていった。

「おーい順!」
 エイトが俺に向かってきた。
「コンビニで売ってた風都の名物という風麺のカップ麺食ったけど、市販カップ麺と対して変わらないしまずい。食べたことないけどやっぱ本物が一番だな。お前ん家は風麺売ってないの?」
「俺ん家はうどん専門だ! それにここは京都だろ? 風麺は今のところ風都でしか屋台出してないんだし俺の店でも他の店でも手作りは売らねえよ」
 レグルスは金もこっちと同じ円で、ドライバーの中に蓄えが結構あったので買い物に困らず、飯は自腹で買い歩きしている。
「やっぱりか……あと面白そうなアニメのDVDも買ってきたぜ! 順が高校に行ってる間の暇潰しに最適だねッ!」
「てかなんで俺の家で飯食ったりしないんだよ」
 俺はエイトに聞いてみた。
「朝は順が出る時間に出なきゃ行けないし、昼は学校から往復するのがめんどくさい、夜は食ってからのこのこ順の部屋に上がったら怪しまれるだろ。お前が店長だったら別にいいけどさ。それに自由に行動できない」
「なるほど」
 八登の熱弁になぜか納得させられた。人を納得させる何かがある気がしないでもない。
「じゃ、俺ドライバーの中入るから」
「おう」
 そう言って鞄からドライバーを取り出し、エイトに投げた。エイトはキャッチするとまた投げ、瞬く間にドライバーの内部へ入っていった。俺はそれをキャッチしてまた鞄の中へ入れた。
 今日は先に成績を配るんだったっけな。
「……ん?」
「どしたん」
「いや、なんか誰かに見られてた気がしただけ」
「そうか」
 目線を感じた気がしたが、気にせず学校に向かった。

 成績は中の上かと思っていたが、なんと学年で三位だった。
「いいよなあ順は。努力しなくてもトップ10に入れてさ」
「修はテスト勉強の期間で遊んでばっかだったでしょ」
 修は十九位、由依は十位という成績だった。
「お、俺だって本気を出せばトップ10ぐらい入れるさ!」
「お前もう高校終わりだぜ?」
「その本気はいつ出せば良かったの?」
「……テストです」
 俺と由依に言われ、修はしょんぼりした。でも自己責任だ。
「じゃあ、そろそろ帰るか」
「おう」
「……」
 由依は何か言いたげだったがすぐに帰っていったので、俺も帰る事にした。
 すると目の前から男が歩いてくる。なんだか危険な香りがする。
「……見つけたぞ、タロット。いや……お前は二代目か」
「なんだお前? ……もしかしてディノガイアからの!?」
「順! あいつはディノガイア帝の右腕だ!」
 鞄の中のドライバーからエイトが言う。
「おお、その声。やはりディノガイア帝に刃向かいながらしぶとく生きる愚か者がいたか。フハハハハ」
 そう言って男はエッグを取り出し、握りつぶした。すると男の体は割れ、ギャノベイダーの姿が現れた。周囲からは悲鳴が上がり、逃げ出す人が大勢いた。

「名乗らせて頂こう。私はヘリコプリオン。タロットについてのデータ収集に来た。では……やらせて頂きましょうか!」
 そう言ってヘリコプリオンは手をアンモナイトのような形にし、手を降ってビーム状のアンモナイトみたいな歯車を飛ばしてきた。
「避けろ!」
 その八つ裂きアンモナイトから俺はなんとか避けた。命中したら綺麗に首と体が分かれてたかもしれない。
「順、変身だ!」
「言われなくても!」
 そうエイトに言って腰にドライバーを当てた。自動でベルトが繋がり、エッグが装備される。
 左側二番目のエッグを取って、また無意識の内にポーズを取り、言った。
「変身!」
 ベルトにエッグをはめるとまたあの歌が流れる。
「エッグ! ピキッピキッピキッピキッパリパリカポンカポンカポォーン!!」
 ピキッに合わせて体にヒビが入ったような光が入り、パリパリで殻が少しずつ落ちていくような光、カポンで脚部、腹部、肩から上の順番で目の前に現れた卵が割れタロットに変身した。
「やはり貴様が二代目のタロットだったか……ハッ!」
 ヘリコプリオンがさっきの歯車を飛ばしてきた。
「三を押せ!」
 エイトが言い、咄嗟にガントレットの三番を押した。
「トゥアァァァァトォォォォォル!!」
 相変わらずうるさいガントレットが叫び、ガントレットから亀の甲羅のようなビーム状の盾が歯車を弾いた。
 エイトが言った。
「ここは接近戦で行こう、ナイトで行くぞ!」
「ナイトってなんだよ!」
「一番左側のエッグを今のと取り替えろ!」
「分かった!」
 エイトが言ったナイトのエッグを今のエッグと取り替え、ベルトにはめた。
「ナイト! カッキンカッキンズッバンズバンズバーン!!」
 周りに鎧をバラしたような光が現れ、ズバンでそれがタロットに装着されていき、さっきとは違う見た目になった。鎧が重たい。
ガントレットの一と二で剣と盾を呼び出せ!」
「おう!」
 エイトの指示通り、ガントレットの一と二を押した。
「ガッキィィィン! セイバァァァァアアアアンドシィィィィィイルドォォッ!!」
 ガントレットが叫び、右手に剣、左手に盾が装備された。
「これで攻めろってか!」
「そういう事だ! 行け!」
 エイトに言われ、俺はヘリコプリオンに向かっていった。
「何をするかと思えば、わざわざ向かって来るとは……ハッ!」
 ヘリコプリオンはまた八つ裂きアンモナイトを飛ばしてきた。向かいながら正面から来たもののは盾で防ぎ、左右から来たもののは剣で弾いた。
「おりゃ!」
 ヘリコプリオンに近づき、剣で斬りかかった。
「フッ、ハッ!」
 ヘリコプリオンは剣を左腕で受け止め、右手のアンモナイトで殴りかかってきた。すかさず盾でガードした。
「デリャァ!」
 素早く剣を脇腹目掛け斬った。
「グオッ!」
 上手く入って、ヘリコプリオンは少し悶えた。
「クッ……ハァッ!」
 ヘリコプリオンは俺とは全く違う方向へアンモナイト光輪を投げた。
「ん? どこに投げたんだよ、俺はこっちだぜ?」
 そう言った瞬間、後ろからアンモナイトが直撃した。
「うわッ!」
 その力と刃物の痛みで俺は倒れた。タロットに変身してたから良かったものの、これが生身で当たれば死んでしまうだろう。相手が勝ち誇った時にそいつはすでに負けているという事を身を持って分かった。
「大丈夫か順!?」
「あ、ああ……」
 心配するエイトになんとか答えた。
「フッ、その程度の強さじゃあ、部下を無駄に殺さずに貴様を倒せそうだ」
 ヘリコプリオンは勝ち誇って言った。
 だがここで引く訳にはいかない。
「……ヘッ、俺だってまだやってやるぜ」
「その意気だ!」
 攻撃で離した剣を掴み、それを支えにして立った。ここから反撃だ!
「確かここだったな」
 そう言ってガントレットの先にある卵型のボタンを押した。
「ルァァストスパァァァァットッ! ブレイクボォォォォォォンッッ!!!」
「ちょ、いきなり」
 エイトが言う間に俺の周りには無数に銃が現れていた。
 ヘリコプリオンはあまりの事に驚いた。
「なっ!?」
「くらえッ!」
 俺がそう言うと銃はヘリコプリオンに向かって一斉射撃を始めた。
「グオアアアアアア!」
 ヘリコプリオンは叫ぶ。
 今度は剣の周りに巨大な剣のオーラがまとわりついた。
 俺がヘリコプリオンを斬るため構えると、目の前に盾が1つ段差のようにフワフワと浮いた。踏み台という事なのだろう。
「ハァ!」
 一気に走り出し、盾を踏み台にして飛び跳ねた。盾がトランポリンの動作をしたのが良かったため、思った以上に飛んだ。
「ハァァァァァァ!」
 ヘリコプリオン頭目掛け急降下し、ヘリコプリオンに迫った時、一気に剣を振り下ろした。
「デリャアアアアアアアアアア!!」
 エクセレント! クリーンヒットだ。
「グオオオオオオオオオオオ!!」
 ヘリコプリオンは痛みで叫んだ。だが爆発はしなかった。
「クッ……覚えてろ」
 ヘリコプリオンは傷つきながらそう言うと、エッグに戻りどこかへ飛んでいった。
「おいおい、二回目でそこまでやれるかよ」
「それよりもあいつを追いかけるか?」
「あのエッグはディノガイアが使う中でも幹部だけが持てるやつだ。普通の奴より飛行速度が早いし、中で回復まで済ませる。追いついても戦う前ぐらいまで回復してるだろう」
「そうか」
 エイトがそう言うのでやめておくことにして、ドライバーを外して変身を解いた。エイトもドライバーから出てきた。
 エイトが聞いてきた。
「大丈夫か?」
「ああ、あんまり深い傷はない」
 背中に受けた傷は鎧がクッションになり、あまり深くならなかった。
「俺は関係ない。それとさ、由依だっけ? あの子お前に惚れてるてるよな。色男め」
「えっ」

「う……」
「ほらほら! お前はサンドバックだ! 動くなよ!」
 放課後の倉庫で、弱っている少年を他の少年達は問答無用で殴る蹴るを繰り返している。
「や……やめ」
「あん? 今言っただろ? お前はサンドバックだ! 黙って俺らのストレス発散に付き合えばいいんだよ!」
「やめろよ!」
 どこでこれが行われてる事を知ったのか、違う少年が倉庫の扉を開け、暴力を振るう少年達に向かって言った。
 川東順その人である。

 俺たちの高校は卒業式の前日に休みを取るので、今日は学校が無い。
 そして今日は木曜、うどん屋の定休日だ。
「……おはよう」
「順! 何やってんだい!お客さん待たせてるじゃない!」
「客? 今日は定休日だろ!?」
 何言ってんだいばあちゃん!
 俺が驚いてるのを見て厨房にいるばあちゃんは鼻で笑い、居間を指差した。
 そこには由依がいた。
「由依?」
「あっ、順君……」
「休みだしあんたと遊びたいんだとよ。行ってやりなよ順。ヘッヘッヘ」
 ばあちゃんはそう言うとさっさと自分の部屋へ引っ込んだ。
「……着替えてきていいか?」
「……うん」
 いつもと同じように降りてきた
からまだ寝巻き姿だった。

「……で、どこいくよ」
「どこでも……」
 由依はいつもより会話がぎこちない。恥ずかしいのだろうか。
「おい! もうそっちから攻めちまえッ! 俺はその初々しい感じにニヤニヤが止まらねえぜェーッ!」
 バッグの中のドライバーからエイトが言った。
「ちょっと黙っててくれ!」
「順君?」
「あ、いや、なんでもない」
 危うくバレる所だった。
「……まずは……プリ……クラ……?」
「ん、おう、いいぜ」

「ほら順君! カメラに向かってスマイル!」
「ちょ、俺初めてなんだけど」
「ほら、修と上だけ裸になって写真撮ってたでしょ! あの時みたいな笑顔で!」
「お、おう」
「スリィー、ツゥー、ワァーン」
「はいせーの!」
 プリクラのカメラからシャッター音が鳴った。
「コレデオーケー?」
「オーケー?」
「いいんじゃねえか?」
「はい決まりっ!」
 近くのショッピングモールに行き、ゲーセンのプリクラに入るとさっきまでのモジモジした感じが嘘のように張り切って俺を引っ張っていった。
「はいじゃあ次はペイントするよ!」
「まだあんのかよ……」
「何言ってんのよ順君!プリクラはペイントも醍醐味なんだから!」
「はい」
 大人しく従うことにした。
 それからUFOキャッチャーで「順君ならできる」と痛い出費を食らい、スイーツを食べるとそれにも金を出した。さらば俺の金。財布がペラペラになるまでのファイナルカウントダウンが始まりそうだ。
 由依がスイーツを食べ終わると、一旦二人で商店街のようになった通路へ出た。もう午後の三時ぐらいだろうか。
「……順君……」
「……なんだよ」
 由依が照れながら言う。さっきまでの元気な感じが嘘のようだ。温度差が激しい。
「……こんなに連れ回してるからそろそろ察しがついてると思うけど……」
 由依は少し間を置いて、ついに言った。
「私……順君の事が……」
「そんなとこでラブラブなんてなあ……」
 突然、誰かが遮った。どこか聞いたことのある声だ。
「……! 宮崎!」
「宮崎……君……?」
「順……お前由依と付き合ってリア充になってんなぁ……俺の事も忘れてよ……」
「あ、あれは……」
 宮崎は中学からの友達で、高校に入って虐められた所を助けたらその三日後には高校に姿を現さなかった。
「お前は偽善のつもりでやったんだろうがよぉ……。こっちにしてみればイジメが更に酷くなったんだよ……だから俺は高校も行かなくなった。でも今……」
 宮崎はポケットから卵型の物……エッグを取り出した。
「順! お前の知り合いらしいがコイツもギャノベイダーになってるぞ!」
 バッグに入れてあるドライバーからエイトが言う。
「ギャノベイダー……? コイツはそういう名前なのか……。まあいい、順……お前に復讐する」
 宮崎はそう言って額にエッグをコツンと当て、ギャノベイダーとなった。

 どことなく山羊のような見た目をしたギャノベイダーだ。
 辺りから悲鳴が上がり、他の客や店員は逃げ出していった。
「か、怪物!?」
 由依が驚く。由依はギャノベイダーについて何も知らない。
 俺は由依に言った。
「……由依」
「……何?」
「詳しいことは後で説明する。今は逃げてくれ」
「で、でも順君……」
「大丈夫だ、ちゃちゃっと済ませて戻ってくる」
「……分かった。必ずだよ」
 由依はそう言ってどこかへ走っていった。
 ちゃんと逃げたのを確認して、俺はバッグからドライバーを取り出した。
「行くぜ、エイト」
「了解」
 俺はドライバーを腰装着した。自動的にベルトが巻かれ、ベルトにエッグが装備された。
「……順、何をするつもりだ?」
「……宮崎。お前をエッグから解放してみせる!」
 いつものエッグを手に持ち、いつものポーズを取って、
「変身!」
 と叫んだ。
「エッグ! ピキッピキッピキッピキッパリパリカポンカポンカポォーン!!」
 お決まりのノリノリな歌が流れ、俺はタロットへ変身した。
「……変身した!?」
「アレが貴方に話したタロットですよ」
 宮崎が言うと宮崎とは違う声が答えた。元々のギャノベイダーの声だろう。
「アイツはカプリコーンだ! 角で突進してきたり分身して攻撃してくる!」
 エイトが宮崎に寄生したギャノベイダー、カプリコーンについて俺に説明した。
「ご名答」
「ウラァァァ!」
 カプリコーンが答えると、宮崎は角が俺に当たるように突進してきた。
「うおッ!?」
「トゥアァァァァトォォル!!」
 咄嗟にガントレットの三番を押し、宮崎の突進を防いだ。宮崎は弾かれ、少し先へ吹っ飛んだ。
「ここはダイノだな……」
 俺はガントレットの一番を押した。
「ダァァァァァイノォォォォォォ!!」
 ガントレットが叫び、右手にはダイノファングが装備された。
「ハァッ!」
「フンッ!」
 ダイノファングで宮崎に殴りかかるも、左腕で受け止められた。そこが狙いだ。
「ウラァッ!」
「グルォォォォォォ!!」
 ダイノファングは吠え、宮崎の腕にかぶりついた。
「クッ!?」
「ハァァッ!」
 ダイノファングがしっかり噛みついているので宮崎が外れる事がなく、そのまま上へ持ち上げ地面に叩きつけた。
「うあッ!」
 宮崎は叩きつけられ、呻き声をあげた。
「お前なんなんだよ。これ三回目だろ?こんなすぐに戦えるのかよ、補正か?」
「秘められし才能ってやつ?」
「うわぁ……」
「冗談だよ、本気でそう思ってない」
 エイトと会話をしてるうちに宮崎がヨロヨロしつつも立ち上がった。
「クッ……このっ……」
「手下ですよ」
「それだ……」
 カプリコーンの助言を聞き、宮崎は『手下』を四体生み出した。カプリコーンとは違い、四本足で歩く実際の山羊に近い姿をしている。だが普通の山羊より不気味な姿だ。
「……いけ!」
「バァァァァァァ!!」
 宮崎が手下に言うと、手下達は俺に向かい突進してきた。
「え、ちょ!」
「複数の相手ならシノビを使え!」
 エイトが言う。
「またエッグを入れ替えるのか! でシノビってどれだよ!」
「右側から二番目のエッグだ!」
「わかった!」
 エッグをシノビのエッグに取り替え、ドライバーに嵌めた。
「シノビ! シュッ! シュッ!! ドゥロォォォォォヌッ!!」
 法螺貝などのの合いの手が入りつつもいつものうるさい叫びをドライバーが出し、シノビに変わった。近づいてきていた宮崎の手下達は、何故か少し吹っ飛んだ。
「三番で分身できる! それで戦え!」
「おう!」
 俺はガントレットの三番を押した。
「ブンシンッノジュツゥゥゥ!!」
 ガントレットが叫ぶと隣に三体の分身が現れ、俺合わせ四人になった。
「おお、俺が三人も」
「前みろこのダボがァーー!」
 前を見ると宮崎の手下達は復活して、俺にまた突進をしてきた。
「ウオッ!」
 俺は向かってきた一体に殴りかかった。分身達も他の手下に一対一で戦っている。
「シノビって他に戦える技無いん?」
 手下と戦いながらエイトに聞いた。
「一番は手裏剣型の光弾、二番は隠れ蓑になってる」
「マジかよ、あんま戦闘向きじゃないな」
「スパイ的な忍者に忠実ですから。ついでに言うと分身だけフォームチェンジなんて事はできないからな!」
 エイトが答える。
「畜生! じゃあ手裏剣か」
 手下から少し距離を置き、俺がガントレットの一番を押すと、分身達も一番を押した。
「シュリケェェェェェェェン!!!」
 俺のガントレットも、分身のガントレットも叫んだ。四倍うるさい。
 叫び終わるとガントレットの先に手裏剣の形をした光弾がクルクル回りながら現れた。
「それをスライスする感じでこすれば飛んでく! 溜めてれば光弾が大きくなる!」
「オーケー!」
 俺はエイトの言うように、手下に向かって手裏剣を飛ばした。
「バァァァ!」
 手裏剣は手下にヒットし、手下は鳴き声をあげた。
「うしっ!」
 俺は手下に向かい手裏剣を投げ続ける。分身達も手下に向かい手裏剣を投げている。
「バァァァ!! バァァァ!!」
 鳴き声が不気味だ。
「よし、分身戻れ!」
 俺がそういうと分身達は消えた。手下達は弱ってきている。
「ハァァァァァ!!」
 手裏剣をすぐに飛ばさず、俺は溜めた。
「バァァァァァァ!!」
 手下達は俺に向かいまた突進してきた。
「ハァッ!」
 溜めに溜めた手裏剣を俺は手下達に飛ばした。飛ばした手裏剣はかなりデカく、四方から突進してきた手下四体を全て蹴散らした。
「バァァァァァァァァァ!!」
 手下四体は鳴き声をあげ、爆発して跡形もなくなった。
「なッ……!?」
「手下が……」
 宮崎とカプリコーンは驚いている。
「ふぅ……」
「エッグ! ピキッピキッピキッピキッパリパリカポンカポンカポォーン!!」
 シノビはあまり戦えないと思い、俺はエッグに戻った。
「ハァァァァァ!」
 俺は宮崎に向かっていった。
「なんだよ順! 俺の問題に介入した上に被害を大きくしやがって!」
 宮崎は俺を殴った。
「俺も思ってなかった! アレからイジメがひどくなってひきこもるようになったこと!」
 俺も殴り返し、殴り合いが始まった。
「黙れ!」
 宮崎は言うと角を触り、ビーム状の角を作り俺に飛ばしてきた。
「グアッ!」
 角は俺にしっかりと当たった。
「クッ!」
「俺はあのままで良かったんだよ! 仲間を連れてきてそいつが俺の代わりになったり俺への暴力が悪化するよりかは! あんまり騒ぎはデカくしたくなかったんだよ!!」
 宮崎は俺に言う。
「おかげで俺は悪化したよ! 大きなお世話だ! 人の考えも知らずに!!」
 宮崎は俺に向かっていき、蹴りを入れた。
「ウゥ……」
 俺は宮崎に言った。
「ごめん」
「あ!?」
 宮崎は驚いた。戦闘中に謝られたらそりゃ驚くだろう。
「俺も止めるだけ止めてその後は何も関わってないしそれより前も友人付き合いしかしてなかった。本当にいじめから助けたいならもう少し解決できるように介入してたと思うし、あれはただの自己満足だったんだ。ごめんな、宮崎」
 これでも俺は謝罪の気持ちを伝えたつもりだ。
「……」
 宮崎は何も言わずに額に手を翳
かざし、カプリコーンを解除した。
「……こっちこそ……すまなかった……」
 宮崎は俺に言った。
「いいよ。それよりそのエッグだけど……」
「まだですよ!!」
 エッグからカプリコーンが言うと、エッグが独りでにフワフワ浮いた。
 カプリコーンが言う。
「これで宮崎君は体と精神も、とまではいきませんが、少しは私が自由に動かせるようになりました! タロット! これでお前を倒します!」
「え!? ……うわああああああ!!」
 カプリコーンは宮崎の額目掛け飛んでいき、コツンと当たると無理矢理カプリコーンへと変身した。
「おいエイト! こういう事ってあるのかよ!」
「レグルスでも何回かあった! 下手するとすぐに体が乗っ取られる!」
 エイトは質問に答えた。
「さあ! こちら側も多少リスクがありますが、これで私が思う存分戦えます! タロットはここで滅ぼしてやりますよ!」
 カプリコーンはそう言うと角型の光弾を何個も作り、俺に飛ばしてきた。
「うおッ!?」
 今度はタートルでは防げない程の数で、うまく逃げてなんとか躱した。
「あれが本物の力か……」
「まだまだですよ!」
 カプリコーンはそう言うと突進してきた。
「うわッ!?」
 宮崎よりも速く、力強く腹にぶつかり、宮崎のよりもダメージを受けた。宮崎の突進も痛かったけど。
「グハッ!」
 俺は後ろへ吹っ飛び、地面に叩きつけられた。
「大丈夫か?」
「ああ」
 俺はエイトに答える。
「フン、レグルスのタロットはもっといい相手になったんですけどねえ。地球の二代目はこんなもんですか」
 カプリコーンは言う。
「……クッ、じゃあいい相手になってやろうか?」
 俺はカプリコーンへ言うとエッグをシノビと取り替えた。
「シノビ! シュッ! シュッ!! ドゥロォォォォォヌッ!!」
 またこの歌が流れる。
「おや、これはさっきの。どうするつもりです?」
「こうだ!」
 俺はガントレットの二を押した。
「カクレミノジュツゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
 ガントレットが叫ぶと俺は透明になって消えた。実際には透明になったようにカモフラージュしているだけである。
「ん? どこへ行ったんです!?」
 カプリコーンは戸惑っている。気づかれないようにカプリコーンの後ろへ回り込んだ。
 そしてここから回し蹴りを食らわせた。
「オラァ!」
「グワッ!?」
「オラオラァ!」
 シノビの素早さをいかしてそのまま攻撃を続けた。四十コンボはいっただろう。
「グアァーーッ!」
 最後の攻撃で地面に叩きつけられ、カプリコーンは叫んだ。
「ふう」
 俺は隠れ蓑を解いた。
「さあ! 宮崎から出ていくんだ!」
 俺はカプリコーンに言う。
「……フフフフ」
「何が可笑しいんだ?」
「戦いの中で敵に『やれ』と言われてやる間抜けはいますかねぇ……」
 そう言うとカプリコーンは角の光弾を飛ばしてきた。
「ぬわッ!」
 光弾は直撃し、俺は抱え込んだ。
「フン、だから貴方はいい相手じゃないんですよ」
 カプリコーンは立ち上がり、俺の前に来ると手に光弾を作った。
「さあ、トドメです!」
 カプリコーンは光弾を振りかざした。また死ぬんだろうな。またフラグ立った気がしながら死ぬのか。
「……グッ!?」
 光弾は俺の胸のちょっと先で止まり、カプリコーンは悶えた。
「……順!」
「宮崎!?」
 宮崎が精神的な事で止めてるのだろうか。
「今ならカプリコーンを倒しても俺は死なないんだろ! そのままこいつにトドメを刺せ!」
「くッ……貴様……」
 宮崎が言う。
「……分かったぜ宮崎!」
 俺は宮崎に言って、ガントレットの先の卵形ボタンを押した。
「ルァァストスパァァァァットッ!ブレイクボォォォォォォンッッ!!!」
 ガントレットは叫ぶと、四体の分身が現れた。
「なッ、なんだ!?」
 俺以外の四体はカプリコーンを囲むようになり、手裏剣を投げつけた。
「グォォォォ!!」
 カプリコーンは悲鳴をあげた。
「今、順は透明になっている! このブレイクボーンなら次はお前がカプリコーンの真上に行って手裏剣を溜めて放つんだ!」
 久々にエイトの説明が入る。
「うおし! デリャァ!」
 エイトの説明を聞き、俺はカプリコーンの上を目掛けてジャンプした。いつもより高く飛び、カプリコーンの真上に来ると滞空する形になった。水中みたいな感覚だ。
「ハァァァァァァァァァァ!」
 俺がガントレットに手をかざし、手裏剣光弾を溜めると、分身達も溜め始めた。
「デリャァァァァァァァァァア!」
 俺は溜めた手裏剣をカプリコーン目掛けて投げた。分身達も同時に溜めた手裏剣を投げる。
「グ、ギァァァァァァァァァァァ!!」
 カプリコーンは断末魔をあげて爆発した。一瞬だが、カプリコーンから何かが出たように見える。
 地上に着地すると、宮崎が近くで倒れていた。
「宮崎! 大丈夫か!?」
「……ああ。それよりもまだカプリコーンが……」
「バァァァァァァァァァァァアアアァァァァ!!」
 宮崎の言葉が、カプリコーンの手下の鳴き声によって遮られた。

「バァァァァァァァァァァァアアアァァァァ!!」
 さっきは普通の山羊と変わらない大きさだったが。今度は十メートルはある巨大な体型をしている。
「え!? おい! カプリコーンは今倒したはずだろ!?」
「死ぬ間際にカプリコーンが生み出したんだ! さっきまでは無駄にエネルギーを消費しないために小さいやつしか作らなかったけど、死ぬ間際だったからこれまでよりエネルギーを使ったはずだ!」
 宮崎が言う。
「宮崎! あとは俺がなんとかする!非難してろ!」
 俺は宮崎に言った。
「……いいのか?」
カプリコーンの力を持ってるならともかく今はただの生身の人間じゃないか! 逃げてくれ!」
「……わかった」
 宮崎は俺が戦ってメチャクチャになった道をなんとか逃げていった。
「さて……」
「バァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
 山羊は俺に向かって攻撃を仕掛けた。
「えっちょ!」
 俺は咄嗟に駆け出した。角を隕石のようにして何本も俺めがけ発射してきた。シノビの素早さで走ることでもなんとか回避できたが、俺を追って巨大山羊はこっちへ向かってきている。
 エイトが言った。
「一旦エッグに戻って、一番右のエッグを地面に投げつけろ!」
「すると?」
「タロットでの戦闘を視野に入れたバイク、ビートエッガーがエッグからパキっと出てくる!」
「了解」
 俺はすぐにエッグと取り替えると、一番右に装着されていたエッグを地面に投げた。
「ビィィィィィィィトォォォォォォォエッガァァァァァァァァァァァァ」
 これはなぜかデス声であまり聞き取れなかったが、そう言ったのだろう。投げつけた場所にはバイクが置かれていた。
「よし、乗れ!」
「俺原付の免許しか持ってないけど!」
「なんとかなる!」
 エイトは言うが大丈夫だろうか。心配しつつも乗った。
 中には見たことがある感じのメーターなどの他に、ガントレットにもある一、二、三と書かれたボタンと卵の形をしたボタンがあった。
「バァァァァァァァァァァァァ!!」
 巨大山羊が鳴き声をあげてもう近くへと走ってきていた。
「うおやべ!」
 俺はバイクのエンジンを付け走りだした。結構スピードが出る。
 するとすぐに瓦礫が前に見えてきた。
「おいエイト! これじゃあ進めねえよ!」
「ビートエッガーの二番を押せ!」
「わかった!」
 言われた通りビートエッガーのほうの二のボタンを押した。
「ビートエッガーオブザバァァァァァァァァァァァァァァァド!」
 バイクがいつものシャウトボイスで叫ぶと、バイクの前方と下部からグライダーが飛び出し、瓦礫の前で飛行し回避することができた。
「ビートエッガーは今なってるチャンプのガントレットの発動技をバイクで使える!」
「チャンプ?」
「あ、教えてなかった。今なってるやつならエッグチャンプ、ナイトならナイトチャンプ、シノビならシノビチャンプみたいに後につくやつな。なんたらフォームみたいな」
「言っとけよ」
 飛びながらエイトに言った。
 しばらく飛んでいるとショッピングモール近くの公園へ出た。人の気配はない。
「なんとか距離は離せたな」
「追いつかれたらどうするよ!」
「ビートエッガーの一番を押せばダイノになってビートエッガーが恐竜型に変形するで」
「ホンマでっか」
「ホンマホン」
「バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 エイトと話している間に巨大山羊は追いついてしまった。
「今だ!」
「分かってる!」
「ビートエッガーオブザダイノォォォォォォォォォォォォォォォ!」
 ビートエッガーが叫ぶと、エイトが言った通りビートエッガーが変形し、ティラノ型へと変形した。大きさは巨大手下の半分はある。
「これがあのバイクだったん? 今付いてるパーツってどっから出てきたの?」
「細けえこたあいいんだよ」
 俺の質問はエイトは適当に濁した。
「操作方法はバイクの時と同じ! 攻撃とかはなんとかなる!」
「そんなアバウトな」
「前見ろ!」
 前を見ると巨大山羊はすぐ近くまで迫っていた。
「ちょ!」
 慌ててアクセルを踏むとビートエッガーは飛び、巨大山羊の背中へ飛び乗った。
「なんとかなる!」
「そうだよ」
 感心している時にエイトが言う。
「よーし!」
 俺はビートエッガーを動かし、巨大山羊の背中に噛み付いた。
「バァァァァァァァァァァァァァ!!」
 山羊は痛みから鳴き声をあげた。
「まだまだ!」
 引き続き噛み続ける。
「バァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「うおっ!?」
 ついに巨大山羊はビートエッガーごと俺を振り払った。俺はそのまま宙へ投げ出される。
「バァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
 巨大山羊は角光弾を何発も飛ばしてきた。
「うお、えー、これだ!」
「ビートエッガーオブザタァトォォォォォォォォォォォォォォル!」
 慌ててビートエッガーの三番のボタンを押した。するとビートエッガー周辺に、亀の甲羅の模様が入ったようなバリアが張られた。
「うっし」
「順さ、お前絶対補正かなんか入ってるだろ」
「知らね」
 本当に知らない。
「エイト、ビートエッガーのボタンの効果はガントレットと同じなんだよな?」
「そうだよ」
「じゃあ卵型のは必殺技か!」
「その通りでございます」
 エイトが答える。
「よし!」
 俺はビートエッガーの卵のボタンを押した。
「ルァァストスパァァァァァァァァァァァァットッ! ブレイクボォォォォォォォォォォォォォォォンッッ!!」
 ビートエッガーが叫んだ。ガントレットの時よりも長く鳴ってる気がする。
 ビートエッガーは巨大な脚のような形に変形した。先端にはティラノサウルスの頭、中部にはグライダーが付いている。
 さっきまではティラノ型のビートエッガーに捕まっていたが、いきなりの変形だったため宙に投げ出された。が、ビートエッガーがグライダーで滞空している所を足場にして落ちずに済んだ。
「あ、ビートエッガーに足をはめて、そのままあの山羊にキックだ!」
「分かった!」
 俺がビートエッガーからジャンプすると、膝から足に変形したビートエッガーが装着された。物凄く重い。
「よし!」
 俺がはるか下の巨大山羊に向けてビートエッガー付きの右足を向けると、ティラノの口から亀の甲羅の形の光弾が山羊に飛んでいき、そのまま拘束した。
「バァァァァァァァァァ!!」
 拘束され、巨大山羊は鳴き声をあげた。
「ハァァァァァァァ!」
 俺は山羊に向かって突っ込んでいった。
「デリャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
 俺がビートエッガー付きのキックで山羊にキックを食らわせ、突き抜けた!
「バァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
 俺山羊は断末魔をあげて爆発した。今までにないぐらい大きい。
 俺はそのまま地面へ着地した。ビートエッガーは足から外れ、近くでバイクに戻っていた。ついにあの山羊を倒したのだ!
 エイトが言う。
「勝ったッ! 第一部完!」
「まだ終わらないぞ」
 エイトに言うと、またビートエッガーに乗り、ショッピングモールへ戻っていった。


 
 ショッピングモールに戻っても、瓦礫の処理などはされてなかった。
「なんだよ。戦いが終わったら勝手に壊れたものが元に戻るとか無いの?」
「そんな便利機能があるなら今もレグルスは平和だよ」
 とりあえずベルトを外し、タロットからの変身を解いた。エイトもドライバーから出てきて、ビートエッガーはエッグに収納されドライバーの中へ消えていった。他のエッグも同様だ。
「……順君?」
「ん……由依?」
 気が付くと近くには由依がいた。
「お前いつから……」
「大きい山羊が出てきた辺りから、物陰で。追いかけはしなかったけど」
「え? は?」
 少し見られていたようだ。
「その人は誰? さっきの山羊と宮崎は? そもそもそのベルトとスーツはなんなの?」
「まあまあ、落ち着いて。俺がイチから説明するから」
 由依の質問攻めにエイトがまったを掛けた。
「ここじゃアレだし別の場所に移動しよう、な?」
「この瓦礫はどうするの?」
「誰かがなんとかしてくれるだろ。てことで行くぞ。ビートエッガー出して」
 エイトが俺に向かっていう。
「ドライバーにしまわれっちまったから出せねえよ」
「しょうがないなあ」
 エイトはドライバーへ潜り込み、器用にビートエッガーのエッグだけを取ってきて地面に投げつけた。
「ビィィィィィィィトォォォォォォォエッガァァァァァァァァァァァァ」
 またデスボイスを出して、ビートエッガーが出現した。
「え!? どうなってたの!?」
 由依は驚いている。普通の人ならこんな反応をするだろう。
「Uターンすることになるけど、さっきの公園に移動でいいだろう。じゃ、運転は任せた。着いたら出てくるよ」
 エイトはそう言うとドライバーの中へ入っていった。
「適当だなあ。まあいいや。後ろ乗って」
 俺は由依に言った。
「どういうこと?」
「言葉のまんまだよ。公園着いたら何から何まで説明するからさ」
「分かった」
 俺がビートエッガーに乗ると、由依は俺の後ろに座った。由依がちゃんと座れるように、俺が少し前に詰めてる感じになっている。
 バイクに乗ってる間、由依は俺にもたれ、俺のお腹辺りで腕を組んで離れないようにしていた。
 公園につき、ビートエッガーを閉まって、公園中央にある噴水に並ぶように座った。
 エイトはドライバーから出てきて、パラレルワールドの存在、自分の受けたこと、ギャノベイダーとディノガイアについて、タロットについて説明した。
「そんなことがあったなんて……」
 由依も予想通りの反応をした。
「まあこれが紛れもない事実なわけでして」
 エイトが由依に言った。
「順君はそんな戦いをやってて死にそうになったり怖くなったりしないの?」
 由依が俺に聞いた。
「俺はもうそんなに思わなくなってきたな。ありはするけど、エイトというパートナーもいるし」
「怖くないってお前三戦しかしてないじゃねえか、これから戦いの中で絶望したりするかもしれねえぞ?」
「それは否めないな」
 エイトの意見に反論はしなかった。
「でも心配しないでくれよ由依。俺は負けはしたって、死にはしない自信があるし、自殺もする気にならないはずだ。俺は死なない」
「……わかった」
 由依はニコリと微笑んだ。
「じゃあ私帰るね」
「ああ、送ってくよ」
 帰ろうとした由依を止めて、またビートエッガーを投げつけて起動させた。
「エイト、ビートエッガーって変身してなくてもボタンは使えるのか?」
「まあブレイクボーン以外ならエッグチャンプの装備が使えるな」
「よし決まりだ」
 俺は由依をビートエッガーに乗せて、ビートエッガーの二番を押した。するとさっきのようにグライダーが装備された。
「待って」
 エイトが言い、ドライバーの中へ入っていった。
「いいよ」
 エイトの一言で、俺はビートエッガーにエンジンを入れて走り出した。
「しっかり捕まっといて!」
 俺が由依に言うと、さらにエンジンをかけ、ビートエッガーが空へ飛び始めた。
 これで、由依を家まで送ってあげよう。
「ありがとう」
 由依が小声で言った。

エピローグ

 「君が代」と校歌を歌い、卒業証書を貰い、感謝の気持ちを込めて練習した歌を親や教師に披露した。
 三月十八日。俺は高校を卒業した。ついにこの高校とお別れだと思うと何だか寂しくなる。まあだいたいそんなものだろう。
「順!ついに高校卒業だな!おめでとう!」
「『おめでとう』……それ以外に言う言葉が見つからないわ……」
 卒業式には親父とお袋も来ていた。ばあちゃんと一緒に俺を見つけると、すぐに祝福の言葉を言ってくれた。
「ありがとう。親父、お袋」
「またまた〜、カッコつけちゃってぇ」
 親父が言う。
「カッコつけてなんかねえよ!」
「そう言ってるとカッコつけてると思われるわよ! 自分に素直になりなさい!」
 お袋はそう言った。
「順君、今大丈夫?」
「ん?」
 ばあちゃん達と話している時、由依が俺に話しかけてきた。
「あら由依ちゃん」
「こんにちは」
 お袋が由依に気付くと、由依は律儀に挨拶した。
「さて、順は用事があるようだし、あたし達は帰るか」
「そうですね」
「頑張れよ順!」
 ばあちゃんが言うと親父とお袋は納得し、さっさと帰っていった。
「えっちょ! ……まあいいや」
「順君?」
「ああ、何?」
「ちょっとこっち来て」
 由依が俺を人通りの少ない場所へ連れて来た。
「えっ、何だよ」
「昨日は言いそびれたし、もう勘付いてるかもしれないけど……」
 由依は少し間を置いて、言った。
「私、順君が好き」
「うひゅえ!?」
 まさかとは思ったが、マジでそうだったとは! エイトの読みは当たったのか!
「私と付き合って下さい!」
 由依は敬語になりながら言った。
「……そんな緊張すんなよ」
「え? ……いいの?」
「ええよ」
「!!」
 由依は驚いて目を丸くしている。
「……順君、ちょっとしゃがんで」
 そう言われたので、由依の顔ぐらいまで、少ししゃがんだ。
「ん!」
「ん!?」
 由依は自分の唇を俺の唇へ押し当てた。これはつまりアレだよな。アレなのか。
 由依は俺の顔を持って、さらに押し付けた。俺も由依の顔を持ち、手前へ顔を持ってきた。
 しばらくそのままでいると、由依が顔を放した。
「由依も結構大胆だな」
「えへへ」
 俺が言うと、由依は顔を赤くして照れた。
「本当に大胆だったぞ。二人とも」
 近くの自転車置場の影から、何時の間にかドライバーから出てきていたエイトが言った。
 一部始終を見られていた。俺と由依は何か恥ずかしくなってきた。

 家に帰ると、ばあちゃんは俺に言った。
「おかえり順。卒業祝いってことで、今日は手伝わなくていいよ」
 そういうとばあちゃんは厨房へ戻っていき、さっさと料理に取り掛かった。
 そんな卒業祝いとはどういうものかと思ったが、せっかくもらったプレゼントなので休ませてもらうことにした。

 閉店時間に近づき、最後の客が帰ったところで、ばあちゃんが働いてる人達に何やら言った。すると厨房は騒ついた。
 何だろうかと思っていると、ばあちゃんが二階に上がってきて、俺の部屋のドアをノックした。
「順? 今暇かい?」
「ん? 大丈夫だけど」
「厨房に来な」
 それだけ言うとばあちゃんはまた一階へ戻っていった。
 一階の厨房に行くと、ばあちゃんが椅子に座っていた。向かいにはもう一つ椅子がある。
「座りな」
 ばあちゃんが言った。俺はばあちゃんの向かいの椅子に座った。
「さて、順。お前に一つ重大な事を知らせる」
「何?」
 俺は何か悪いことをしたのか?
「お前は店を継ぐつもりがあって、大学にも行かないんだよな。お前にこの店を継がせる」
「ファッ!?」
 えっ? オマエニコノミセヲツガセルなんて聞いたことがない言葉だ。
「言葉の通りだ。店の奴らも納得しているよ」
 ばあちゃんがそういうと厨房から店で働いてる人が出てきた。
「やっちまえ順!」
「君ならできるよ!」
「お前彼女できたんだろ!」
「この色男め! ヒュー!」
 関係ない野次も含めて、店で働く人達が次々に俺に言う。というかなんで知っているのだろう。
「順! こんな早く一人前になるなんて父さんマジ感動しちゃうぞ!」
「順! 私も父さんと同じ気持ちよ! やっちまいなよ順!」
 今度は厨房の傍から親父とお袋まで出てきた。
「親父!? お袋!?」
「お前の周りの奴らはみんな納得しているんだ。どうだ? やるか? 営業のやり方もちゃんと教えてやるよ」
 俺は二つ返事で答えた。
「やる! いや、やらせてください!」

カプリコーンまでもやられてしまった……」
 熊本の遺跡に出来たディノガイア帝国地球基地で、ヘリコプリオンが頭を悩ませていた。
「レグルスを攻撃していた時は軍隊をすぐに送り込めたが、エッグを使わなければ活動できないとなるとあのエッグ凝縮装置では何体も送れないものだ……」
 ヘリコプリオンは独り言を言っている。
「その様子だと無理だったようだな」
「はっ……ディノガイア帝!」
 突然モニターが起動し、フュージョンで待機しているディノガイア帝が通信してきた。
「だが案ずるな。ジオのタロットはまだまだ戦闘初心者なんだろう? 我らの戦闘のエキスパートに勝てる訳あるまい」
 そしてディノガイア帝は続けた。
「それに今、異世界調査隊が閉ざされた世界、ラビナートへの調査を始めた」
「あのラビナートですか?」
「そうだ。ラビナートにある『もの』さえ手に入れれば我らの勝利は確実だろう。レグルスの言い伝えだが、その存在はちゃんとキャッチしてある。ヘリコプリオン、地球は任せたぞ」
「はっ!」
 ヘリコプリオンがディノガイア帝へ敬礼をした所で、通信は途切れた。

 うどん屋「華東」の店長見習いになって七日が過ぎた。ついに明日、俺が本格的に店長を勤めるようになるのだ。
 今日は定休日であり、ばあちゃんは店で働く人を連れて日帰り旅行に行った。これも業務の内らしい。さらに昨日、うどんの材料が少なくなってきたので、俺は買い足しに行っていた。
 自分の経営する店は定休日でも命を注げるものと昔からばあちゃんが言っていた。
「うわっ!」
「うおっ!?」
 俺は道で転んでしまい、向かいから歩いてきた人をドミノのように巻き添えにして倒してしまった。
「遼君!? 大丈夫?」
 転ばせてしまった人の友達か彼女だと思われる人が、転ばせてしまった人へ声をかける。
「すいません! 大丈夫ですか?」
 俺も転ばせてしまった人に聞いた。
「ええ。あ、そちらこそ大丈夫ですか?」
 転ばせてしまった男性は逆に聞いてきた。
「えっ? ああ!」
 見ると材料を入れた袋を落としてしまっていて、中身が少し飛び出していた。
「拾うの手伝いますよ!」
 彼女は言うと、小麦粉などの飛び出した材料を袋に入れてくれた。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
 俺は彼女にお礼を言った。
「それじゃあいこうか。どうも」
「どうもー」
 彼が言うと、二人は反対側の方向へ歩いていった。俺は振り返ってその様子を少し見た後、店へ戻った。
 あの二人から何か運命的な物を感じたような気がした。

 家に帰ると、ドライバーから出てたエイトの他に、由依と修が来ていた。
「順君!」
 由依は俺の名前を呼び、その場で笑った。可愛い。
「順、お前由依を彼女にした上にうどん屋引き継げるとかどれだけ人生勝ち組なんだよ」
 違う所から修が言う。修は面接が終わり、あとは結果を待つのみだった。
「まあ俺は同性愛以外でほっこりできるなら別にいいけどね」
 修の隣でエイトが言う。
「明日から順君が店長なんだよね」
「そうだよ」
「頑張って! 私も大学のランチに来るよ!」
「由依も頑張れよ? 大学大変なんだろ?」
「そこはパッションと努力でで何とかするよ!」
 由依は大学へ行くようで、入学式などはまだ先のようだ。
 由依とあれこれ話していると、エイトが何か感じとった。
「順! ディノガイアの奴らだ!」
「分かった!」
 俺は外に出ようと立ち上がる。
「順君」
 由依が言う。
「順君、負けないよね?」
「大丈夫だ。ちゃんと帰ってくる! 安心しろ!」
「分かった!」
 由依が力強く答えた。
「死ぬなよ!」
 修が言う。
「分かってる!」
 修に答えると、俺はエイトと共に外に出た。
 走ってエイトの後を追うと、既にギャノベイダーに変身している人が街で暴れていた。
「あいつはオランウータン! 幹部の奴らを凌ぐ破壊力を持っている!」
「よし、行くぜエイト!」
「おう!」
 俺がドライバーを腰に巻くと、エイトは中へ入っていった。そしてエッグがベルトの脇に装着された。
 俺は左から二番目に装着されているエッグを取り出し、ポーズをとって叫んだ。
「変身!!」
 俺のうどん屋としての道、そしてタロットとしての戦いは、まだ始まったばかりだ!


仮面ライダータロット 完


感想はコメント欄へ

ガンチャ通信号外 うごメモ終了日のガンチャのスクショ

ついに終わっちゃいましたね
でもガンチャはまだまだ続きます

ではうごメモ終了日のガンチャの様子を振り返りましょう
(途中でサーバが重くなりDSiのコメが見られなくなります
また、画像は分割うpしたので順番がバラバラになってるかもしれませんがご了承ください)
























































































































はい。
振り替えれたでしょうか?
ではまた次号〜


PS.6月からこのブログはガンチャ系読み物も載せる「GANCHA books lavel」になったお

ガンチャ通信 うごメモ終了前日号

更新日をオーバードライブしましたすいません
うごメモはてな運営中で最後の更新になりますえ

てことで始まるよー


目次
1.ガンチャメンバーインタビュー gureiさん+ラスいちさん
2.作品情報
3.読者参加型コーナー
地獄大喜利
4.トモドモさんコーナー
5.オヌヌメ動画


こーこく
記者求ム
まだ記者を募集中
なにをするかは決めてませんが(((
やりたい人はコメントしてくれればうれすいです((


ガンチャメンバーインタビュー 第5回SP
現在「gantya butler's」などのガンチャオールスター作品で盛り上がっているgureiさんと、現在も出入りしているガンチャメンバーでは唯一の女性であるラスいちさん。
今回はこの2人にインタビューです。

gureiさん編

岸辺:今回はよろしくお願いします!
グレイ:うぃーす!!よろしくお願いしゃあああす((
岸辺:うごメモを始めたキッカケは?
グレイ:んーと、あれですね、小学校の頃友達がうごメモしてたとこからはじまりましたねw「おぉ、自分もやってみたい」的な((
岸辺:ガンチャを見つけたキッカケは?
グレイ:ID登録できて「どこでもいいからコメントうちてぇなあ〜」とか思ってたらちょうどガンバライドチャットがあって「よし、ここに書き込んでやろうw」ってなったのが私がチャットにはいってしまった原因です((
岸辺:要はノリと((
ユザネの由来は?
グレイ:えぇw((
名前の由来、つーか頭にフッとよぎったのが「gurei」だったからそのままそれを名前にしました((
岸辺:うごメモ以外で活動しているものはありますか?
グレイ:いや、特にないですね、pixvとかできたらやりたいですねw
岸辺:ガンチャバトラーズやTHEチャット部といったガンチャ関連の作品を出してますがそれをやろうと思ったキッカケはありますか?
グレイ:ガンチャライドはいろんなアニメとか特撮見てると湧いてくる「自分もこんなの描いてみたい!!」という好奇心で勢いで描こうと思いました、ガンチャの皆さんをキャラクターにしたのはとりあえずガンチャの人になにかさせたかったからです((
THEチャット部はそんなのがあったらいいなという妄想を実体化させようと思ってやりましたw
岸辺:今後やっていきたいことはありますか?
グレイ:今後ですかぁー、そうですね、とりあえずうごメモがもうじき終了するんでいそいで作りかけのメモはできるだけ早く投稿しときたいですねw
3DSの方ではマンガを主に描いて活動したいです
岸辺:では最後に一言お願いします!
グレイ:僕はロリコンじゃなあああああああい!!


ラスいちさん編

岸辺:今日はよろしくお願いします!
ラスいち:お願いしまーす
岸辺:うごメモを始めたキッカケは?
ラスいち:カセットを持って無かったので、何か面白いの無いかなー、と探してたらうごメモがあった!!みたいな((え
岸辺:ではガンチャを見つけたキッカケは?
ラスいち:仮面ライダー好きの友達が欲しかった→仮面ライダーchをうろうろ→ガンチャを見つけた
岸辺:なるほど
ユザネの由来はありますか?
ラスいち:「ラスいち」はスマブラXで見つけました(((
カッコいいなーと思ったのでユザネにしました!
岸辺:うごメモ以外に活動はしていますか?
ラスいち:WiiUミーバースとか!!
岸辺:現在在籍しているガンチャメンバーの中で1人だけ女ですが感じていることとかはありますか?((
ラスいち:いや、特に無いです、はい(((
岸辺:あ、そうですか((

今後やっていきたいことはありますか?
ラスいち:うごメモが終わるまでに、作りかけのPVを完成させる!
岸辺:では最後に一言お願いします!
ラスいち:えーと、うーん・・・一言・・・・暑い!!!(((



Next Ganchamember?


ガンチャメンバー最新シリーズ物作品チェック!!
gantya butler's 3(gureiさん)



ついに偽りゅうさんの正体が!
新たなガンチャメンバーも参戦し物語はヒートアップ!!
URL(PCサイト)
http://ugomemo.hatena.ne.jp/136028C0C5E85DA9@DSi/movie/E85DA9_0C96C7BFB5D5C_052?ui_changed=1

素晴らしきバカ共の会 13話(ビックワンさん)




雑魚どもを蹴散らしていた馬場一行。
そこに強敵が…!?
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/130641C0CE229241@DSi/movie/229241_0C90F41A2C027_001?ui_changed=1

仮面ライダーミズクラゲ 16話(KEさん)

ついに感動の最終回!見逃すな!
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/1D1C2650C59BCDDA@DSi/movie/9BCDDA_0C7FB7DC7CF95_021?ui_changed=1

素晴らしきバカ共の会 14話(ビックワンさん)



原点回帰なメモ。
神々に喧嘩を売っていた馬場。そこにパルテナが現れ地獄行きを宣言された!
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/130641C0CE229241@DSi/movie/229241_0C94D43AB91CA_000?ui_changed=1

自由人に花を(ビックワンさん)


馬場らいつもの5人以外のジャッカーが全滅していた。その1人は散り際に「しろい」と言い残す。果たしてジャッカー電撃隊は…。
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/130641C0CE229241@DSi/movie/229241_0C96B75E012C3_001?ui_changed=1





地獄大喜利
このコーナーは読者参戦型コーナーでする
お題の答えをここの掲示板に書いて下さーい↓
http://0bbs.jp/gannchablog/

今回のお題



トモドモのレビューコーナー
休み(((




今週のオヌヌメ動画
http://youtu.be/T3T-evQZiQo
期待大なドラマの予告編

http://www.nicovideo.jp/watch/sm20769295?mypage_nicorepo
ジョジョMADのアニメ版 (トモドモさんチョイス)



もううごメモはてなも終わり…
でもガンチャはガンチャんねるで続きますしガンチャ通信も更新します
もしかしたら3DS版でRYOさんが出してくれるかも((
ではまた次回〜



次号、6月5日頃更新


ご意見ご要望はコメント欄へ

ガンチャ通信 5月10日号

もう第2第4水曜前後に更新することにする(((((
てことではじまるよー


目次
1.ガンチャメンバーインタビュー えいとさん
2.作品情報
3.読者参加型コーナー
地獄大喜利
4.トモドモさんコーナー
5.オヌヌメ動画


こーこく
記者求ム
まだ記者を募集中
なにをするかは決めてませんが(((
やりたい人はコメントしてくれればうれすいです((


ガンチャメンバーインタビュー 第4回
まどかの夫、えいと。
今回はこの人にインタビューです。

岸辺:今回はよろしくお願いします!
えいと:オナシャス!
岸辺:うごメモを始めたキッカケは?
えいと:小6の正月にテレビ買った時にヤ�ダ電機のポイントが付いたのでそれで買わせて頂きましたァん、んで、その後ウチにネットを繋ぐことになって再びヤ�ダ電機行ったときにDSステーションで見つけて取った。

つまりほぼノリ、見つけなきゃやってなかったかな(笑)
岸辺:じゃあガンチャを見つけたキッカケは?
えいと:かの有名なライダー作者RIKUさんのチャットにRYOさんが居るのを目撃。
「サムネのジョーカー上手いから大きいので見たいな」と思ってRYOさんのマイルームを見たあと発見。それ以降はちょくちょく行くようになりましたね
岸辺:つまりジョーカーの絵のついでと((
えいと:ま、そうですなwはっはっは(棒)
岸辺:まどマギ以外のオススメのアニメは?
えいと:最近見てるのでは「シュタインズ・ゲート」と「波打ち際のむろみさん」と「戦姫絶唱シンフォギア」かな。特に三番目は7月に二期がくるから楽しみですよ
岸辺:最近のウィザードの感想は?
えいと:最近シリアスな展開多くていいですねえ。そして白い魔法使いがキュゥべぇみたいなことしたら個人的にはいいかなぁって思ってます(笑)
岸辺:私と修行して魔法使いになれと((
グンと話変わりますが初期にうごメモで同じアカで活動してた姉ってどうなったんですか?(((
えいと:そうですなぁ(笑)はっはっはw
ええっとですね、中学受験の時に一旦離れた後結局復帰することはありませんでした。
岸辺:まあ姉の存在なんてどうでもいいんですがね(((
早いですが最後に一言お願いします!
えいと:まぁそうですよねぇw

ジョジョまどマギシンフォギア見てね☆(キラッ)






Next Ganchamember?


ガンチャメンバー最新シリーズ物作品チェック!!
に出せるメモg(ry


地獄大喜利
このコーナーは読者参戦型コーナーでする
お題の答えをここの掲示板に書いて下さーい↓
http://0bbs.jp/gannchablog/

今回のお題



トモドモのレビューコーナー
休み(((




今週のオヌヌメ動画
http://youtu.be/hStI14dktI0
コレはヤベェ!!




休みコーナー多い((((
次回でうごメモはてな運営中の更新は最後という
ではまた次回〜


次号、5月22日頃更新


ご意見ご要望はコメント欄へ

ガンチャ通信 4月25日号

そろそろ更新日を第2第4水曜前後にしようと思う((((
てことで始まるよー


目次
1.作品情報
2.読者参加型コーナー
地獄大喜利
3.オヌヌメ動画


こーこく
記者求ム
1人じゃ辛いんだよォ
少し記者を募集しようかと
なにをするかは決めてませんが(((
やりたい人はコメントしてくれればうれすいです((


ガンチャメンバー最新シリーズ物作品チェック!!
仮面ライダーミズクラゲ 15(KEさん)




運命の納豆編2
ついに突き止めた敵のアジト クラゲに危機が迫る時、ミズクラゲに奇跡が起こる!
URL(PCサイト)
http://ugomemo.hatena.ne.jp/1D1C2650C59BCDDA@DSi/movie/9BCDDA_0C4AC64412F53_058?ui_changed=1

仮面ライダースパイス 公式なんたら(シャイ兄さん)

スパイスのあれやこれやが分かっちゃうぞ!
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/130641C0CE229241@DSi/movie/229241_0C68AB617CBED_002?ui_changed=1


地獄大喜利
このコーナーは読者参戦型コーナーでする
お題の答えをここの掲示板に書いて下さーい↓
http://0bbs.jp/gannchablog/

今回のお題
この画像の状況やセリフを


今週のオヌヌメ動画
http://youtu.be/7p7rocHEecE
ソー:ザ・ダークワールドの予告編


前回大踏ん張りしたせいで薄っぺらい内容に(((
これからもガンチャ関連のあれやこれやをどんどん載せていきます!


次号、5月8日更新


ご意見ご要望はコメント欄へ

ガンチャ通信 4月12日号

うーんとねー☆今日は特大号だよー☆いつもに増していっぱいやるよー☆
あとねー☆記者にトモドモちゃんが増えたよー☆ンフフー☆あー遅れちゃったー☆でもオッケー☆


目次
1.ガンチャメンバーインタビュー RYOさん
2.作品情報
3.読者参加型コーナー
地獄大喜利
4.トモドモさんコーナー
5.オヌヌメ動画


こーこく
記者求ム
まだ記者を募集中
なにをするかは決めてませんが(((
やりたい人はコメントしてくれればうれすいです((


ガンチャメンバーインタビュー 第3回
ガンチャの管理人である特撮大好き爽やかな島根っ子のRYOさん。
今日はあれやこれや聞いて行きます。

岸辺:今回はよろしくお願いします!
RYO:( O°O)bグッ
岸辺:うごメモをはじめたキッカケは?
RYO:そうだなぁ…始めはDSiLLに元から入ってるソフトとしてただ遊んでだだけみたいな、そんなひょんなことだったと思う
岸辺:Oh…長ーい((
ガンチャの元になったガンバライド掲示板を出そうと思ったキッカケは?
RYO:真面目((
そのうごメモ内で自分以外のガンバライドをしてる人達のことを知りたかった、とか
岸辺:じゃあガンチャを出そうと思ったキッカケは?
RYO:ガンバライドという共通点を持ってる人達とコミュニケーションを取りたかった〜じゃないかな
岸辺:ほうほう
メンバーのみんなのことはどう思ってますか?
RYO:愉快な仲間達。
みんな個性的だから楽しいよね
岸辺:ですよね
テラーさんから聞きましたがなんで身長が180cmもあるんですか?((
牛乳は無しでお願いします((
RYO:寝ることが趣味だからさぁ!!
語ると長くなるので割愛
…真面目に言うと親もまあ高いからとかそんな理由だと思う
岸辺:つまり遺伝と寝る子は育つですか((
今興味があるものは?
RYO:あとカルシウムとか☆
難しいね…興味があるものなら沢山あるよ。例えばみんながよく話してるマンガ・アニメとか色々。
岸辺:ジョジョまどマギにも触れてみようと?((
RYO:触れるまで行くか分からないけど興味深くはあるかなー
観てはいないけどほんの少しの知識なら
岸辺:なるほど
グンと話変わりますが、あの鳥事件やmaryrx事件はどう思ってますか?
RYO:まあ、そんなこともあるさ。人間だもの
岸辺:オットナー!((
最近のウィザードの感想は?
RYO:今年高校3年生でーす☆
フェニックスオールアップして少し魅力に欠けたけど、途中グレムリンが発した晴人に対しての「もう戻れないね」という言葉や、白い魔法使いの言う「これで一人“完成”した」っていうのが気になるね。真由ちゃん連れて消えてったりと今後に期待
岸辺:キョウリュウジャーの感想は?
RYO:ストーリー展開がめちゃくちゃ早いけどTHE戦隊という感じが意外と好きです
岸辺:最近見た映画で一番好きなものは?
RYO:映画はあんまり観ないけどアメイジングスパイダーマン良かったと思う!
つい先日、レンタルビデオ店のポイントで購入してまた観たんだけど自分好みすぎた感
岸辺:次回はヴィラン(敵)祭りらしいですよ((
RYO:アルティメットスパイダーマンが楽しみです!
岸辺:アメイジングスパイダーマン2じゃ((
RYO:アメイジングの次はアルティメットと決まっております故!
岸辺:2である(迫真)
RYO:まあ、そんなことは置いといて!
岸辺:カップルライフはどんな感じですか?(ニヤリ
RYO:3年目突入だよ☆
岸辺:どのように出会ったのかよろしくお願いします((
RYO:まあ、運命的なあれとでも。((
知り合って意気投合してたからね。告白した時のメールを未だに取ってあるらしく、それから3年目ってことを教えてもらった。
もうあんまり恥ずかしいことは言わせないで((
岸辺:(ニヤニヤ)
最後に一言お願いします!
RYO:最後にとんだ恥さらしをさせてくれようとは((
本当に一言だけど、ガンチャは永遠!(みたいな感じでお願いします)



Next Ganchamember?


ガンチャメンバー最新シリーズ物作品チェック!!
gantya butler's 2(gureiさん)




キリのいいところで終わらせたいと思ったグレイさんが1話のBパートを出した!((
URL(PCサイト)
http://ugomemo.hatena.ne.jp/136028C0C5E85DA9@DSi/movie/E85DA9_0C75CB8192E2D_027?in=ch/300678161628001134

素晴らしきバカ共の会 第12話(ビックワンさん)





前回のバイトで本部を直す事ができたが軍資金は足りずバイトを続行
1.馬場は駅員のバイトをしていた そこで馬場は駅員の楽しさを語る
2.バイトラマンは全く売れないカレーラーメンを品下ろししようとしたがToshikiに止められた。その次もToshikiは先週号の雑誌を残させたり、意味のわからない商品の配置をさせたりしているとジャッカーがやってきて…。
3.馬場がToshikiと共にコンビニのカウンターで話していると、買うものがパターン化して分かってくるというが、1人パターンが全く分からない奴がいるという。噂をしてたらそいつはやってきた。その後も変な客はどんどんやってくる。
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/130641C0CE229241@DSi/movie/229241_0C6EA95DA2261_004?ui_changed=1

リョリョの微妙な冒険(Lコースさん)



リョリョが出てくることなく途中で終わった本当に微妙な冒険((
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/106D3620CE28440D@DSi/movie/28440D_0C653997A94A7_005

仮面ライダーミズクラゲ14 運命の納豆1(KEさん)



うごメモが終わると知って急いで作ってるらしい新シリーズ((
URL
http://ugomemo.hatena.ne.jp/1D1C2650C59BCDDA@DSi/movie/9BCDDA_0C71EA8EFFE93_003?ui_changed=1


地獄大喜利
このコーナーは読者参戦型コーナーでする
お題の答えをここの掲示板に書いて下さーい↓
http://0bbs.jp/gannchablog/

今回のお題



トモドモのレビューコーナー

「記事」
ドモドモォ
新入りの共々ですっ((
今回レビュー記事を担当します!
それでは今回のレビューは…

魔法少女 まどか☆マギカ」のコミックス 全3巻です!
このコミックスはアニメが原作のまどマギを漫画化したものです。
多少ネタバレも含むような含まないような気もするので注意((


まず、原作と一番と言っていい程違うのがQBに表情が付いている所ですね。
まだ可愛いですね((

ほむスピナーも原作よりもかっこよくなってますね

原作で印象に残ったシーン

皆も卵焼きの焼き加減にケチをつけたりしないようにね!((
そういえば原作では目玉焼きだったよね。

原作より怖ェ((

杏子の名シーン!

そして、まどかの名シーン!

最高の鳥肌シーンッ!

そしてこの漫画には、漫画を描いたハノカゲさんの遊び心も感じられます((

QBザマァwww((

我らがマミさんが主人公の漫画が好評発売中!((ぇ

アニメ版QB
こっちの方が憎たらしい((

と、まぁアニメと比べたりして楽しみましょう!((


終わり〜




今週のオスヌメ動画
http://youtu.be/RtbUv8J_fsY
自分がこの曲が好きなだけである。



マジヤッベェ遅れた!((
いろいろあって遅れました
すいません
今回から新入りのトモドモさんのコーナーが始まりました!毎回トモドモさんがいろいろレビューしていくよん
ではまた次回〜


次号、4月24日更新


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